白マム印 日本のこと日本のもの

 
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いもぼうを頬張りながら、古都
のどこに
この平野屋さんが出ていたのだろうか、
待ち合わせ場所として使ったのだろうかと
味わうよりも考えこむ私でした。

京都より戻ると早速、黄なびてしまった
ページをくります。

キリシタン灯籠
北の天神
平安神宮
醍醐のお寺
金閣寺
南禅寺道
知恩院
円山公園
清水さん
阿弥陀堂
奥の院


DSC_2312
                                     清水寺 奥の院



文庫本の1ページから21ページだけで
神社仏閣好き

京都好き
あるいは
京都在住の方が
喜ぶ固有名詞が物語に
織り込まれています。

全編に京都の名所や四季折々の
行事の様子が描きこまれており
それだけみると
まるでJR東海のコマーシャルのようですし、

青蓮院の大楠やら、
三尾の神護寺やらがでてくると
よく知っているだけに
嬉しいものです。


青蓮院 大楠
                                      青蓮院 大楠

さて、
いもぼうですが、
49ページに早々とでてきます。

この「古都」主人公、千重子は捨て子なのですが、
拾われた場所はどこなのか、母親(育ての親)に問う場面。

「そんなら、千重子をどこでお拾いやしたの。」
「夜桜の祇園さんや。・・・・・・花の下の腰かけにな、
それは可愛らしい赤んぼが寝さしたって、うちらを見て、
花のように笑うのや。・・・・・・芋棒の平野屋さんの前
あたりかな、・・・・・・・」



いもぼうの平野屋さんの記述はこれだけなのですが、
平野屋さんにしてみれば光栄の極みでしょうし、
円山公園を歩いた私としても場面が手に取るようにわかり
やはり嬉しくなるというものです。

この古都を読んでいて感心するのは京都の言葉の
美しさです。
川端康成自身があとがきに記していますが、
「京都の人に頼んで、会話の全体にわたって懇切丁寧な修正」
を加えてもらったとのことです。

京都の歳時記のような物語に、きれいな京都言葉。
京都の方が今現在読まれたらどうでしょうか?
面映ゆいのでは。

もうひとつの美しさは北山杉の美しさです。
ヒロインの千重子はまるでこの北山杉の妖精のよう
に書かれていますです。
康成は千重子に言わせます。
「北山杉のまっすぐに、きれいに立ってるのをながめると、
うちは心が、すうっとする」
と。

この「まっすぐに、きれいに立っている」というのは
まさに千重子そのものといえます。


この小説は昭和36年10月から翌年1月まで朝日新聞に
連載されていたものです。

挿し絵は小磯良平さん。

この間、川端康成は重度の睡眠薬依存であり、
この「古都」はその間に書かれたことで有名です。
連載後は
禁断症状をおこして東大病院に入院しています。
この時は意識不明状態が10日におよんだといわれています。

トップの画像の東山魁夷作の冬の花(北山杉)は
この入院中に東山夫妻が届けたものです。
古都の全編に姿をあらわす北山杉を描いたものです。
そして「冬の花」という画題は、
「古都」の終章の見出しだったものです。

川端は述懐しています。
「病室で日毎ながめていると、近づく春の光りが明るくなるとともに、
この絵の杉のみどり色も明るくなって来た。」
と。

単行本にするにあたって、この絵は口絵として使われて
います。






↑残念ながら文庫本には使用されず、文庫のカバーは
それらしく見えますが、ケルスティン・ティニ・ミウラ(女性)
によるものです。


2012年01月08日_DSC_0038神護寺本堂
                           神護寺



en1参考en1


*実はこの小説には「竜村」(現龍村のことでしょう)の
 記述が2度でてきます。
 これがどう判断してよいのやら、俗気があるということなのか
 やりてとして褒めて書かれているのかあいまいでわからない。
 ちょっと謎です。

月刊杉 北山杉と『古都』
京都名物 いもぼう

いもぼう2013年01月13日_DSC_0280
                  いもぼう御膳

<あらすじ>
捨て子だった事実を知りながらも千重子は、呉服屋夫婦の一人娘として
深い愛情につつまれ、なに不自由なく育つ。
友人の真砂子と北山杉を見に行った千重子は、杉林で働く自分にそっくりの
娘がいることにきがつく。
 
祇園祭の宵山の日、千重子は娘と再び出会う。
その娘が双子のかたわれであった。
娘の名は苗子。双子の姉を探していたという。しかし今では身分が違う。
苗子は、姉と会ったことを誰にも言わないと伝え、千重子と別れる。

帰り道、苗子は四条大橋で織り屋の息子・秀男に声をかけられる。
秀男は苗子を千重子と間違えて、千重子の帯を折らせてほしいと頼み込んだ。

苗子が奉公して働く北山杉の村へ出かけた千重子に、織り屋秀男から
結婚を申し込まれたことをされたことを苗子は告げる。

千重子は、冬の北山杉の杉の葉が薄いすすき色になるのが花のようで美しいと
苗子につげる。

千重子は苗子を自宅に呼び、
「うちにずっと、いとくれやすこと、でけへんの」と願う
が、
苗子は「お嬢さんのお幸せに、ちょっとでもさわりとうないのどす」
翌朝早く、苗子は「また来ておくれやすな」と言う千重子に首をふり家
を去っていく。
長いこと見送る千重子を振り返ることなく。




  

山口百恵ちゃんの千重子役(手前)の
着物の着付け、下手ですねえ。
この映画は着物も準主役というのに・・・。


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