白マム印 日本のこと日本のもの

 
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1979年 村上春樹は群像新人賞を受賞します。

受賞作「風の歌を聴け」。

その3年前に村上龍が「限りになく透明に近いブルー」にて
この賞を受賞し芥川賞をも受賞します。



村上龍と角川春樹の「パクリ」を思わせるような村上春樹
という本名には、申し訳ありませんが巷では笑がおこった
ものです。

余談ですが「ブエノスアイレス午前零時」で
129回芥川賞を受賞した藤沢周も本名で
「藤沢周平のパクリではないと」本人が、弁明のコメントを
していたのは微笑ましかったものです。

話しを村上さんに戻しましょう。

村上春樹は
昭和54年(1979年)81回芥川賞の候補にあがります。

候補作
「風の歌を聴け」

選考委員

井上 靖
遠藤 周作
大江 健三郎
開高 健
瀧井 孝作
中村 光夫
丹羽 文雄
丸谷 才一
安岡 章太郎
吉行 淳之介

永井龍男にいれかわり
開高健と丸谷才一が加わっています。

丸谷才一と吉行淳之介は群像新人賞の選考委員も
兼ねており、群像でも村上を押し、当然
芥川賞候補として推薦します。


丸谷才一の選評。

「アメリカ小説の影響を受けながら自分の個性を
示さうとしてゐます。」
「もしこれが単なる模倣なら、文章の流れ方がこんなふうに
淀みのない調子ではゆかないでせう。
それに、作品の柄がわりあひ大きいやうに思ふ。」

が、
受賞は重兼芳子、青野聰の両氏となりました。

第83回(1980年上半期)では「一九七三年のピンボール」が候補と
なりましたがまたも受賞することができませんでした。

芥川賞をのがした理由は、

群像新人賞を受賞した村上は矢継ぎ早にエッセイや短編小説を
発表し、若者の旗手のような存在になっていきます。
その存在がまぶし過ぎた・・・。
あるいは、10年前に受賞し小説の姿をかえたといわれる
庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」の受賞が響いたと
いわれています。

「赤頭巾ちゃん気をつけて」でいちやく有名作家の仲間入りした
庄司薫は「さよなら怪傑黒頭」「白鳥の歌なんか聞こえない」等
を出版するも1977年以降、庄司いわく「総退却」、つまり
小説を発表していません。
職業は中村紘子の夫というところでしょうか。


村上春樹が芥川賞を受賞しなかったのは、この庄司薫のように
ベストセラーをだしたにもかかわらず、力尽きあとが続かなかった
二の舞を危惧したため・・・ともいわれています。

しかし、それではなぜ村上龍(但し、今もって旺盛に作家活動を
続けている)や池田満寿夫に渡したのでしょうか。
説明がつかないのでは。

また、芥川賞は直木賞と違い新人に出す賞であって、作家としての
持続性は問わないのではなかったでしょうか?



結局つまるところ、村上春樹は芥川賞を太宰治のように切望
していなかった。あるいは2回受賞をのがしたことで見限った
といったほうがいいのではないでしょうか?
もし、芥川賞がほしいのならば、芥川賞を受賞しやすいと
いう原稿用紙100枚前後の中編を書き続けるはずで、
彼が次にだした小説は長編の「羊をめぐる冒険」でした。







1981年に講談社から村上龍と村上春樹の
対談集が出版されます。

この本を読むと、当時村上春樹が龍をとても尊敬していたことがわかります。
春樹は龍が芥川賞受賞後の2作目の「コインロッカー ベイビーズ」に
素直に敬意をあらわしています。
が、
この「ウォーク・ドント・ラン」は絶版です。
もし今も流通しているなら間違いなくロングセラーなのでしょうが、
若気のいたりというか、春樹さんはとても饒舌で、高校生時代の女性経験の
ことや、子供が欲しいなどというプライベートな発言をしており、
流通して後悔したのではないでしょうか。増刷されなかったのは多分
村上春樹の了承がとれないのでしょう。








現在にいたるまでの村上春樹の活躍はわたくしがのべるまでもありません。

彼は日本文学全集に載せる作品のことで編集者ともめ、その編集者が
責任をとる・・・それは入水としてかたちになったり、
信頼していた編集者が原稿を持ちだし、高額で古書店にうりとばしたりと
作家としてかなり辛い立場を経験します。
が、作品は停滞することなく書かれ、足場は外国へときずかれて
今日にいたるまで出す作品すべてがメガヒットなどいわずもがな。




村上龍、村上春樹ときたらもうひとりのMは?



                                        前回/次回

*芥川賞あれこれ ///////


   


参考文献・参考ウェブ
芥川賞90人のレトリック 彦素 勉 / 回想の芥川・直木賞 永井 龍男
/芥川賞の研究―芥川賞のウラオモテ(1979年) 永井 龍男
/文藝春秋/週刊文春/ウエブ 芥川賞のすべて・のようなもの

*「芥川賞のすべて・のようなもの」はとても優秀なサイトです。
興味のある方は是非ご覧下さい。
引用に関しては管理者の許可を得ていることを明記
いたします。

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