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とっぴんぱらりの風太郎 万城目学2013年09月29日_DSC_0761
           とっぴんぱらりの風太郎  万城目学著


骨太のとてもいい小説です。

万城目さんの小説は
大人が読むのにはちょっときついものが
ありました。

例えば
鴨川ホルモー
や、
偉大なる、しゅららぼん

上手に乗らないと、置いて行かれてしまう。
端的にいえば、
万城目学さんの作品は若い人が読む。
そういうイメージがあります。

それを覆したのが
中島敦さんへのオマージュ、「悟浄出立」です。
この小品を読んで
「これは若いもんに独占させてはならじ」と
興奮していた時に
週刊文春に万城目さんの連載がはじまったわけです。



BRUTUS (ブルータス)
2012年 12/15号 [悟浄出立収録]



とっぴんぱらりの風太郎は
直木賞をとるであろうと期待される、大人がひきこまれていく
上質の時代小説です。
本の造りも、文藝春秋社の造本だからでしょうか。
今までの本がペーパーバックの感があったのですが
今回はとても素敵な造りのうえに
中川学さんのイラストが入っています。


とっぴんぱらりの風太郎 万城目学2013年09月29日_DSC_0763




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ささ、その物語の名は
「とっぴんぱらりの風太郎」
というけったいな名前です。


この「とっぴんぱらりのぷう」
とは、秋田の方言で昔話、
「むがしっこ」のお終いをくくる言葉です。
おしまい、めでたしめでたし、最後まできいてくれて
ありがとう、等の意味です。

知らないとアレレですよね。
どうも万城目さんは
ネーミングがフェイントの人です。

しかし内容は、読ませます。

簡略すれば、
伊賀の忍者屋敷から火事により生き残った
若い忍者たちの生き残ろうとする青春群像といってよいのですが、
2年間の連載、単行本にして746ページですから話はいりくみ
迷路のようです。

登場人物も
妖術使いなのか実在なのかと混沌とした因心居士や
虫けらのように人を殺す残虐なかぶきものたち、
ねね様、
本阿弥光悦や
「ひさご様」(←読んでのお楽しみ)と、
豪華なメンバーです。

彼らは死闘を繰り返しながら
あるいはのんきに瓢箪をつくりながら
大坂冬の陣、夏の陣に容赦なくまきこまれていきます。

そして「あるお方」のために捨て身の攻撃を繰り返し
「ある方」の願いを聞き入れるために身を捨てます。

そのうちの一人は平気で人を裏切る狡猾な蝉左右衛門。
そのうちの一人は男なのに、幼いころから女として忍者修行に励んだ常世。
そのうちの一人はポルトガルに奴隷となって生きている母親を買い戻すために
せっせと商売に励む黒弓。
そして忍者として第一線で戦いたいと思いながらも、
利用され続けるお人よしの風太郎。


せつない場面が最初の章から次々にでてきます。
はっきり言いましょう。
人がころされる場面です。
特に第六章の戦闘シーンはやりきけれません。

鍬しか持ったことがないようなお百姓が
「おっかあ」とさけびながら死んでいく。
膝から下を失った男はなきながら
地面をはって逃げている。
その体に無数の矢がつきささるが男は
それでも肘を前に進もうとする。が、
男を銃がとらえる。

このように、抜き書きするとうまくつたわらないと思うのですが
今までたくさんの時代小説を読んできましたが
合戦のシーンの無情さをここまであらわしたものは初めてです。

最後は全員生き延びて欲しいと願ったのですが・・・。


最後の行は
  
  身体の深いところからゆっくりと這い上がってきたあたたかいものに、
  なるほどこういうものか、とひどく腑に落ちた気分になって、
  誰にも気づかれぬよう静かに目を閉じた。


切ないですねえ。
しかし、
よくよく読めば死んだとは書いていない。

生きているに違いないと私は思っています。


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何故こう思っているかといますと、
終盤になんの脈路もなく
「小介」
「佐助」
「才蔵」
という名前がでてきます。
これは
真田十勇士のなかの人物です。
が、名前がでてくるだけで、
あとさきの説明がまったくありませんでした。
私自身、この小説を読みながら
昔観た東映映画の「真田風雲録」を思い起こしていたので、
これは続編への伏線なのかと今も考えている次第です。
そうであったら嬉しい。



今も切ないものが残る万城目さんの渾身の作だと思います。



*とっぴんぱらりのぷー:秋田では昔話を語り終えたあと
 これでおしまいやら、めでたしめでたし の意として
 とっぴんぱらりのプー でしめくくるそうです*


    



         


コレデ直木賞ガトレナカッタラセンコウイインサンノメハフシアナデス




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<とっぴんぱらりの風太郎刊行記念 キャッチコピーコンテストのお知らせ>

募集期間:10月28日(月)~11月24日(日)
発表:優秀作に選ばれた方には「とっぴんぱらりの風太郎」
特製手ぬぐいを1枚と、
大阪城天守閣・大坂の陣400年プロジェクトからご提供いただきました
「大阪城カレンダー2014」(非売品)を差し上げます。

そして! 最終締め切り後、万城目さんが選んだ最優秀作品には、
この世でたった一つの「サイン入り・因心居士のひょうたん」を差し上げます。


↑以上は文春 本の話webよりのコピーペーストです。
本の話webにいかれたら応募窓口がひらきます


<とっぴんぱらりの風太郎サイン会のお知らせ>←終了

東京 10月10日(木)
    18:30~ 三省堂書店神保町本店
大阪 10月12日(土)  
    14:00~ ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店

ともに定員100名・要整理券。
整理券は電話で大丈夫です。
 詳細はコチラ

*小耳にはさんだうわさでは万目城さんったらひとりひとりに
  直筆のイラストを配布予定とか・・・。
*さし絵を担当された中川学さんは
  羽柴秀次公の菩提を弔う京都瑞泉寺の住職さんです。
  中川さんのブログ「坊主な日々


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10月10日にいただいた万城目学さんより
いただいたサインです。↓



万城目学サイン とっぴんぱらりの風太郎

万城目学氏サイン、イラスト、手拭


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