白マム印 日本のこと日本のもの

 
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三島はこまめに手紙を出します。


昭和22年7月17日付の三島の手紙

 勉強の傍ら、勧銀の入社試験を受けて落ちました。
 弟が僕の部屋に来て、「お父様がね、お兄が可哀想だ
と云っているよ、とても絶望落胆してるよ。」
僕「へえ、僕は大抵のことにはへこたれないんだけどね、
昼寝をすれば何でも忘れてしまふ人間だがね、しかしお父様には
絶望落胆してひると思はせておく方がいいんだよ」
僕はこんな親不幸なことを言ひながらも、一寸オヤジに好意を
もちます。



と、親しい友人にだすような内容の手紙です。


学生ながら才能があり、無防備に懐に飛びこんでくる
三島を川端が厭うはずがありません。

三島は、出す手紙にこれから書く長編の構想なども
縷々と書きつづるなど、
高揚した文学青年の顔をおしげもなく
みせています。


昭和22年10月8日付の三島の手紙

・・・・・・
 太宰治氏「斜陽」第三回も感銘深く読みました。
滅亡の叙事詩に近く、見事な芸術的完成が予見されています。
・・・完成の一歩手前で崩れてしまひさうな太宰氏一流の
妙な不安がまだこびりついています。
太宰氏の文学はけっして完璧にならないものなのでございませう。
しかし叙事詩は絶対に完璧であらねばなりません。
「斜陽」から、こんな無意味な感想を抱いたりいたしました。



芥川賞のことあれこれに書きましたが、
太宰は芥川賞ほしさに女々しい手紙を川端康成に
書きおくっています。
川端は太宰の生活の乱れを不快に思い選評にそのことを
はっきりと残しています。

<第1回芥川賞 太宰に対する川端の選評>
「逆行と道化の華は一見別人の如く、そこに才華も見られ、
なるほど「道化の華」の方が作者の生活や文学観を一杯に
盛っているが、私見によれば、作者目下の生活に厭な雲ありて、
才能の素直に発せざる憾みあった」


その川端に、わざわざ斜陽の感想をおくりつける三島。

三島はこの年の1月に太宰に面とむかって、
「ぼくは太宰さんの文学は嫌いなんです」といったことは
有名です。
それに対して太宰は「嫌いなら来なけりゃいいじゃねえか」
言い放ち、「ホントは好きなくせに」と言ったとか言わなかったとか。

三島は太宰の才能に嫉妬していたのでしょう。
だからわざわざ川端康成に無邪気を装って
手紙をだしたのでしょう。


  




無邪気を装う三島。
初やつだなあと思う川端。

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