白マム印 日本のこと日本のもの

 
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<八幡奈多宮 宝物殿>

八幡奈多宮


住所  大分県杵築市奈多229
電話  0978-63-8088
交通  JR日豊本線杵築駅下車、
     杵築バスターミナル行き乗車(10分)
     杵築バスターミナル下車、
     乗り換え
     国東行き(10分)奈多八幡宮 下車、
               徒歩3分。


御祭神 応神天皇、神功皇后、比売大神
創建  天平元年(729)宇佐公基にて創立

* 宇佐神宮の摂社
* 大分の戦国大名、大友宗麟の正室「奈多夫人」は
  奈多宮の大宮司の娘
* ご神像拝観は電話確認すること
* お手洗いなし
* 公式ホームページなし
* ご神像拝観には要、玉串料

奈多八幡 バス停より徒歩5分2011年05月03日_DSC_0446
posted by (C)poco


神様がおられるのは奥の建物、宝物殿です。


ここにおわす神様は、元をただせば宇佐神宮の御神体です。

なぜ、由緒はあるけれど小さなお宮に
ご神像が安置されているかといいますと、

いにしえより、宇佐神宮、奈多宮においての最大の神事は
「行幸会」(=御幸会)です。
簡単にいえば、ご祭神の新旧入れかえです。


2011年05月03日_DSC_0540八幡奈多宮の元宮である市杵島
posted by (C)poco


六年毎に新しい御神像が奉造されると、
旧御神像は比売大神(=市杵姫)を
元宮とする奈多宮に納める習わしだったといいます。
そしてそれらの神さまは沖の、市杵島から竜宮城に
おかえりになるように流したといわれています。

この奈多宮に現存するご神像は、なんらかの事情で
海に流されなかった方々といえます。


若い宮司さんが宝物殿に案内してくださいます。

宝物殿のまわりには注連縄によって結界が
はられています。

宮司さんが、ひょいっと注連縄をたくしあげられて
重い扉を開けられました。
その所作の簡単さに呆気にとられるも、体中の毛穴が
ひらくのがわかりました。
それでも遅れまじと一礼をして入っていきます。

入ると、左方に若宮がならんでおいでで


2011年05月03日_DSC_0474





それだけでも息がつまりそうなのに、
宮司さんが前方の門帳を一気にお開けになると
そこには、

宇佐神宮のご神体であった三神がおわしました。


神像 八幡奈多宮



右より僧形八幡神坐像(應神天皇)

女神坐像(比売大神像=市杵姫)

女神坐像(神功皇后像)

です。

2011年05月03日_DSC_0477


僧形八幡神(應神天皇)のお姿は神々のなかでも
お美しいものです。

気高く強いものを感じさせるお像は
50センチほどの体高です。


神像 八幡奈多宮



お仏像の特徴である大きなお耳に、
首には三道といわれるふくよかさをあらわす筋。

これは、徳の高さや、この世のものとは違う印です。
このように神の姿にも仏像のお印と同じものを
しるすということは
ここにも神仏習合があらわれています。
このお顔に白毫(びゃくごう)があれば
お仏像と見まがえます。


造像年代は11世紀。


神像 八幡奈多宮




どのおかたも榧を使った一木造りの内刳りなし。
丁寧に無駄なく彫られた様はいかに
大切な方を形づくっているかという
彫師の気持が伝わってきます。


神像 八幡奈多宮



↑若宮のなかでもこちらの若比売(わかひめ)
は清清く控えめな美しさが心をとらえました。↓

2011年05月03日_DSC_0459



2011年05月03日_DSC_0455



2011年05月03日_DSC_0456



2011年05月03日_DSC_0457



神像 八幡奈多宮
小若宮





この写真撮影はもちろん許可を得てのことですが、
シャッターを切りながらも撮ってよい
のだろうかと逡巡しつづけました。

ピントがぼやけているのは、
フラッシュをたくことに躊躇があったためです。

ことほどさように、わたくしには神聖な空間
でした。




神々に囲まれいっときの間、時間がとまってしまいました。


もし、宮司さんが後ろにおいででなかったら
もっとこの場にいたでしょう。



八幡奈多宮



2時間ほど経ち冷たい小雨がふりだしました。
海上の市杵島(いちきじま)の鳥居がかすんでいます。


八幡奈多宮




踵をかえして再度神様にお会いしたい
気持をおさえて、バス停に向かいました。


                                                 完

1 ご神像をご存知ですか
2 よしっ 八幡奈多宮に行こう
3 八幡奈多宮 ご神像を訪ねて
4 神像の美



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<奈多海岸公園> 八幡奈多宮隣接

2011年05月03日_DSC_0513
陶器で出来た狛犬posted by (C)poco

2011年05月03日_DSC_0514
posted by (C)poco


2011年05月03日_DSC_0503八幡奈多宮の手水
岩をくりぬいた手水鉢posted by (C)poco


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<参考文献>

八幡奈多宮 ご神像   芸術新潮―創刊555号記念大特集:日本の神々
神像の美―すがたなきものの、かたち(別冊太陽)  芸術新潮―創刊555号記念大特集:日本の神々

*神像の美 は クリックしていただけば、アマゾンへ入り購入可能です。
 日本の神々は残念ながら絶版となり入手困難な貴重本です。
*内容的には「神像の美」のほうが良いと思います・・・。

<お目もじを終えての雑感>

博物館でご神像やお仏像を拝観するのは得てして味気ないものですし、
邪道のような気持もままあります。
しかし、奈多宮ご神像のように素晴らしご神体が、人里離れた海辺に
収蔵されていることに、多大なる危惧を覚えます。

また、親切にしていただいた宮司さんに申し訳ないのですが、
神社のかた自身が、このご神像のありがたさをとくとわかっておいででは
ないような気がするのです。これは地方にありがちなことなのですが・・・。

せめて、お社に常時人がおいでのような体制を整えていただきたいと
切に思ってしまいました。


<八幡神について>

宇佐神宮が八幡神宮の総本社(本家)ということはあまり知られていません。
京都の石清水八幡宮や鎌倉の鶴岡八幡宮の方が、全国区的存在です。

元々「八幡神」は地方(大分宇佐)の神様でした。
八幡神には不確かな由来が数々あります。

・八幡のハチはハタ、
 つまり秦氏(渡来)の神様だったよう。
・欽明天皇の時代(539年 - 571年)に宇佐の山に降りてこられた。

など。

この降りてこられた時の天皇が欽明天皇で、その御子がのちの應神天皇
のために、八幡神はすなわち應神天皇ということになります。

720年に
隼人(鹿児島)の乱がおきると、朝廷はこれを鎮圧しようとして宇佐八幡に神託を
仰ぐと、八幡神は、「我(われ)征(ゆ)きて降(くだ)し伏(おろ)すべし」と自ら征討
に赴きました。

740年代より
東大寺にかかわり八幡宮を勧請する(僧形八幡神坐像がある由縁)。

769年に
この地方の神様を一躍しらしめる事件がおきます。
「宇佐八幡宮神託事件」です。
女帝であった孝謙天皇に僧侶である弓削道鏡がとりいり、天皇に即位しようと
したために、それを阻止すべく宇佐八幡のご神託
「天の日継は必ず帝の氏を継がしめむ」を得てことなきをえました。

これにより宇佐八幡は天皇家とのつながりがいっそう堅固なものとなります。

781年
朝廷は宇佐八幡に鎮護国家・仏教守護の神として八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)
の神号を贈ります。

時代がくだり八幡神は武士の神「八幡大菩薩」としても広がっていきます。
源氏は八幡神を氏神とし、日本中に勧請します。
鎌倉幕府をひらくと、鶴ヶ岡八幡を勧請するにいたります。


八幡大菩薩の神号は太平洋戦争末期の日本軍の基地には
「南無八幡大菩薩」の大幟が掲げられ、航空機搭乗員(特に特攻隊員)
の信仰を集めことは、ご存知の方もおおいのではと思います。


*八幡総本宮宇佐神宮公式ホームページ

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Comment

2015.02.19 Thu 11:59  |  Re: 教えて下さい

返信が遅れて申し訳ありません。
お尋ね 1 の件は、未だ解明されていないのではないでしょうか。 
津波は7,8メートルだったとのことで、お行きになればわかりますが
お宮は海辺ぎりぎりです。村人が津波を早くに察知し保護しない限りは
流されたと思います。
どの御神像もとても保存状態がよく、いろいろなご神像を拝観した
私としては、ちょっと不思議です。

論文も拝見いたしましたが、私はなにぶん単なる、お仏像、ご神像好きな
輩ですので、口をはさむ余地はありません。

2 のお尋ね
事前に電話予約をなさってください。
宮司さんはときおりお見えになるだけで、管理は
氏子さんがなさっています。
電話もなかなか、お出になりませんので、ご自分の連絡先を
記入されたファクスをなさるといいです。
電話もファクスも、しつこく!

レンタカーをお借りになるといいですよ。

以上
あまりお役にたてず申し訳ありません。

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