白マム印 日本のこと日本のもの

 
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<壷阪寺 つぼさかでら>

5月4日9:30金峯神社→10:20吉野水分神社→11:10竹林院→桜本坊→
   藤井利三郎薬房 →太田桜花堂→東南院→11:40金峯山寺→14:00壷阪寺


壷阪寺2012年05月04日_DSC_2411
壷阪寺posted by(C)poco

正式名称 南法華寺(みなみほっけじ)
住所   奈良県高市郡高取町壷阪3
電話   0744-52-2350
交通   近鉄壷阪山駅から「壷阪寺行」の奈良交通バス10分、
     終点「壷阪寺前」下車


山号   壷阪山
宗派   真言宗豊山派
本尊   十一面千手観音菩薩
創建年  大宝3年(703年)
開基   弁基上人(元興寺僧侶)

別称 壷阪寺
入山料  600円
*西国三十三箇所観音霊場第6番札所
*枕の草紙にもその名があがる古刹(注1)
*見どころ・御本尊十一面千手観世音菩薩
       ・レリーフ「釈迦一代記」
       ・大石堂外壁左面のレリーフ 
公式ホームページ

壷阪寺2012年05月04日_DSC_2336
2012年05月04日壷阪寺posted by(C)poco


入山すると↑なんともいえないオブジェが歓待(多分)
してくれます。
が、
私には賽の河原で母親を待つ子のように見え
しばし物悲しい思いを味わいました。

いろいろなところから得た情報は、
「面白い」
「テーマパークのようだ」
「わけがわからない」
「インドみたい」など。

要するに変わったお寺さん・・・ということでしょうか。

私にしてみれば壷阪寺は浪曲の壺坂霊験記のお寺さん、

  ♪妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ
  頃は六月中のころ 夏とは言へど片田舎
  木立の森も いと涼しい・・・


です。
今は歌舞伎が流行っているので歌舞伎の壷坂霊験記の
舞台となったところといえばよいでしょうか。

座頭の沢市と女房お里の純愛物語(注2)。
に、
しては、このお寺さんは
やけにハッスル、やけに新しく、やけにインドです。
古刹だというのに・・・。

まだこの時私は壷阪寺に対して斜に構えていました。

壷阪寺仁王門2012年05月04日_DSC_2409
仁王門posted by(C)poco


仁王さまをみると、まるでカブトムシのような
パーツ接合。
落ちていたのでつけてみました感が大きい、
スイッチのような乳首。


壷阪寺 仁王門仁王像
壷阪寺 仁王門仁王像posted byC)poco


これは楽しめそうです。


四方を眺めると、あちらこちらに大きな石像の
頭が見えます。
いったいどこから拝観すればよいにやら・・・。

まず右手の石像から。



<天竺渡来 大釈迦如来石像>
壷阪寺 大釈迦如来石像
大釈迦如来石像 お前立ち(十一面千手観音菩薩 左、普賢菩薩石像 右、文殊菩薩石像 )

大釈迦如来石像 身丈10m 台座5m
お前立ち
十一面千手観音菩薩像 身丈3.3m 台座1.5m
普賢菩薩石像 身丈3m 台座2m
文殊菩薩石像 身丈3m 台座2m



壷阪寺壷阪寺2012年05月04日_DSC_2345

石だからという甘えのないとても繊細でおきれいな
十一面千手観音菩薩さまです。

壷阪寺


壷阪寺



大きな石像です。
インドで作造されて日本に運ばれて組み立てられたものです。

新しく造られたお像によくみられる、技術の稚拙さや
俗なところがなく、とてもおきれいなお仏像さまだと感心しました。
普賢菩薩さんや文殊菩薩さんの白象や獅子のデフォルメ、デザインも
シンプルでいて芸術性が高く、これはなかなかの石工さんたちの
手によったものだと思います。

2012年05月04日_DSC_2361壷阪寺 2012年05月04日_DSC_2360壷阪寺
壷阪寺2012年05月04日_DSC_2379 壷阪寺2012年05月04日_DSC_2362


境内のいたるところにこのような落雁のような
敷石があり、


壷阪寺2012年05月04日_DSC_2344

ただ大きいものを造るというだけではない
意匠を感じます。

この壷阪寺は巷でいわれている
単なる「変わりものの寺」ではないようです。


壷阪寺慈眼堂 2012年05月04日_DSC_2357
壷阪寺慈眼堂posted by(C)poco

境内にはヤマブキやボタンが咲きみだれいます。
桜もきれいだったのではないでしょうか。


壷阪寺2012年05月04日_DSC_2363
禮堂posted by(C)poco

甍の流れが美しい礼堂の正面の、

壷阪寺禮堂前 奉納 舛添要一
禮堂前 奉納 舛添要一posted by (C)poco

一番最初の目立つところに舛添要一さん奉納の石灯籠が。
興醒めです。
ポイントがどんどんつまれていたのがとまってしまいました。
苦笑
しかし、
これはよいことをされたのだから、私の考えの方が邪ですね。



この礼堂の先には本堂(八角堂)があり、
そこにはこの壷阪寺のご本尊である、非常に有名な
十一面千手観世音菩薩が安置されています。


壷阪寺 本尊十一面千手観世音菩薩
壷阪寺 本尊十一面千手観世音菩薩 室町時代 樫材寄せ木造り





壷阪寺本尊 十一面観音坐像







壷阪寺本尊 十一面観音坐像


どうですか?
この仏様。
私は子供のころにみた映画、船乗りシンドバッドの世界を
思い出しました。
なんだか洞窟の奥に財宝にかこまれておられるように
みえませんか?

赤みを帯びて肉感的な観音さまはアジアを感じさせるお仏像で
迫力といいますか、威圧感があり
仏師はどのような方なのだろうと思わざるを得ません。
室町時代の作なのですが、日本人なのでしょうか?

古来より「眼の佛」として広く信仰を蒐めており、
眼病に霊験あらたかとされています。

 

壷阪寺 灌頂堂 2012年05月04日_DSC_2350
壷阪寺 灌頂堂 posted by(C)poco


壷阪寺2012年05月04日_DSC_2349
多宝塔 posted by(C)poco


最盛期には、山内に三十六堂、六十余坊の大伽藍を配していましたが
殆どが焼失し、新しい堂宇がめだつなか、


壷阪寺 三重塔2012年05月04日_DSC_2367
三重塔 posted by(C)poco

明応6年(1497)再建されたという三重塔をみると
なぜかしらホッとします。

三重塔の向うの小高いところににょきりと背の高い
観音立像がみえます。

行ってみましょう。



2012年05月04日_DSC_2390


天竺渡来大観音石像と天竺渡来大涅槃石像です。
インドハンセン病救済事業のご縁でインドからご招来したもの
だそうです。

ここからは大和三山に奈良盆地が見渡せます。

2012年05月04日_DSC_2387壷阪寺


境内を歩きまわっていると、この寺院の現ご住職あるいは
経営者の並々ならぬエネルギーを感じます。
今現在も増殖し続ける古来からのお寺さんとでもいうのでしょうか。
それも異質の空間で。


壷阪寺めがね供養観音
めがね供養観音 posted by(C)poco



壷阪寺 夫婦観音
夫婦観音posted by(C)poco




<天竺渡来 大石堂>
2012年05月04日_DSC_2397壷阪寺


インド・アジャンタ石窟寺院をモデルとし延べ12万人の
日本・インドの人々によって彫刻、組み立てられ、
総重量1,500tにおよぶ壮大な石の御堂(壷阪寺ウェブより)。

2012年05月04日_DSC_2393壷阪寺


壷阪寺2012年05月04日_DSC_2395


はいってみましょう。

うっ。
インディ・ジョーンズがはじまりそうです。
不埒でもうしわけありません。
でも、正直な感想です。




壷阪寺大石堂2012年05月04日_DSC_2399
大石堂内部posted by(C)poco


外にでて仁王像をよくみると、

壷阪寺2012年05月04日_DSC_2400


足もとの邪鬼が入山した時に見たあの子どもたちです。
どういうことなのだろう?

そのうえ、今まで見てきた石像にくらべて、
この仁王像は稚拙な気がします。

日本人の作でしょうか?
それとも
インドの石工さんには仁王はよく知られていない、
とか。

これはちょっと不思議発見です。




<天竺渡来佛伝図レリーフ「釈迦一代記」高さ3m 全長50m 重さ300t>
壷阪寺 レリーフ2012年05月04日_DSC_2365

壷阪寺2012年05月04日_DSC_2368

2012年05月04日_DSC_2371壷阪寺

壷阪寺天竺渡来佛伝図レリーフ「釈迦一代記」2012年05月04日_DSC_2378


このレリーフは、南インド、カルナタカ州カルカラにおいて、延べ5万7,000人の
石彫師の手によって、インドの石に彫刻され製作されたものである(壷阪寺ウェブより)。

このレリーフは圧巻でした。


見るものすべてが、エネルギーを感じさせます。

不思議ワールドです。


<大石堂 外壁レリーフ>
2012年05月04日_DSC_2403壷阪寺


壷阪寺



私がいつも頼りにしているポピュラーな
2冊の奈良手引書があります。

奈良の神社仏閣をあますところなく記載している。
と、
いうのに、実は2冊とも壷阪寺の項はありません。

多分この壷阪寺は古刹というのに、
西国三十三箇所観音霊場第6番札所 というのに、
奈良の仏教界から異端視されているのではないでしょうか?


異端ゆえにすさまじいエネルギーを発している。
なんだか、
そういう負がもつ力を感じる。

それが壷阪寺です。


壷阪寺




ご朱印 壷阪寺


私はいいお寺さんだと思います。




2012年05月04日_DSC_2384壷阪寺
2012年05月04日壷阪寺伽藍posted by(C)poco



en1  en1

<注1:>
平安時代、長谷寺とともに官大寺・国分寺の次の格に列せられ、
平安貴族達の参拝も盛んになる。
清少納言は「枕草子」のなかで「寺は壷坂、笠置、法輪・・・」と
霊験の寺として、筆頭に挙げています。
<注2:沢市と女房お里の純愛物語>
沢市は盲目ゆえ琴三味線を教え、お里は内職いう暮らしでした。

そんな沢市疑惑がわきます。
明けの七つ(午前四時)になると、お里が毎晩床を抜け出していたからです。

「もしや好きな男が…」と問いただすと、お里は沢市の目の病が治るよう、
この三年もの間欠かさず壷阪寺の観音様に朝詣でをしていると訴える。

疑った自分を恥じる沢市はともに観音様にお参りすることにしましたが、
お里を家に帰して、お里を自由な身にしてやろうと自分の身を投げてしてしまいます。
不吉な予感であわてて戻るお里は、非常な現実に遭遇し、自らも身を投げてしまいます。

しかし、二人のせつない夫婦愛が、観音様の霊験により奇跡が起こり、
沢市・お里は助かり、沢市の目が開眼しました。

<壷阪寺 荒神像ご開帳 秘仏子島荒神像>
壷阪寺 荒神像ご開帳
壷阪寺 荒神像ご開帳posted by(C)poco

平成24年3月31日~5月31日
開帳時間 9:00~16:00
会場 大講堂
開帳されている尊像は江戸時代、東大寺大仏殿中門二天像を
再建した大仏師順慶によるものであり、享保7年に制作されて
290年来初めての一般公開です。

<阪と坂>
寺の名称としては、「阪」壷阪寺
霊験記 としては、「坂」壷坂霊験記
地名としては、どちらも使用されていますが「阪」が多いようです。



<私の感想>
茶化そうと思えばいくらでも茶化せるお寺です。
そしてその茶化された部分が独り歩きして
壷阪寺は異端のお寺というレッテルがはられて
しまっています。

はじめはなんであれスポットがあたり
話題にのぼることでよかったのでしょうが、
あまりに俗なイメージの固定は払拭するのは
難しいと思います。

インド渡来のお仏像のお顔は俗なところがない
とてもいいものですし、ご本尊十一面観音さんも
バランスのとれた優れたお仏像です。

お仏像のよさで話題になって欲しい、よいお寺さんです。

*壷阪寺に関しての心情・本音は「カバ屋印 マムの素」を
 読んでくださればと思います。




壷阪寺
壷阪寺 お百度石posted by(C)poco


壷阪寺手水舎2012年05月04日_DSC_2347
壷阪寺手水舎posted by(C)poco


壷阪寺にしては普通すぎて惜しい手水舎です。
再考をうながしたい・・・。

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Comment

2012.05.23 Wed 00:16  |  壺阪寺

清少納言のお薦めスポットでもあるのだから「一度は行こう」と思いつつも未だ行っていないお寺です。
なんとなくキワモノ?的なイメージがあったのですが。
レポで好奇心を刺激されたので近いうちに行ってみようと思います。

  • #-
  • せれまま
  • URL

2012.05.23 Wed 08:48  |  せれままさん

わたしもキワモノ扱いで気にはなっていましたが後回しにしていました。
アクセスも悪いと思っていました。が、駅からバスで10分でした。
お里澤市の像は×ですがインド渡来のお像はお顔などとてもきれい
ですしレリーフの女神もいいですよ。
御本尊もこれは日本人が鎌倉時代に造ったのだろうかと
考えてしまう謎のお仏像です。
造形的にはとても優れたものだなあと思います。

お土産も充実してますよ。

目薬とかある。






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壷阪寺

「妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ~」と、浪曲でも有名な、壷阪寺が本日の訪問先です。 「それ、何なん?知らんでー」という方のために、壺坂霊験記の話をかいつまんですると。 盲人の沢市と、その妻お里は仲睦まじい夫婦でした。 夫の目が見えるようにと、三年もの間、朝早く壷阪寺の観音様に願掛けを続けたお里でしたが、そうとは知らない沢市は、お里の浮気を疑うのでした。 その後、事情を知...

  • ミュージアムに行きました。
  • 2015.07.17 04:32

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